自分の人生を振り返ると、特にアメリカに来てからは、「いつでも会える」とか「いつでも連絡できる」と思ってた人が亡くなることが何度もあった。んで先日また、「そのうち連絡しよう」と思ってた人が他界した。彼のメールアドレスは持ってたし、あっちも自分のことは知ってたはず。
自分は、どちらかというと、最近のプロレスにあまり楽しみを見出せなくなってるので、プロレスの歴史の研究をする方が楽しかったりする。
ボクシングや球技などの場合、コミッショナーや体育協会などがしっかり試合の記録などを管理しているので、昔の情報を引っ張り出すのは、そんなに難しいことではないが、プロレスの場合、そういうわけにはいかない。
日本では、昔からプロレスがスポーツ新聞などでも取り上げられてるので、過去の記録を調べるのは苦ではない。だが、海外の場合、プロモーター自身が、プロレスをサーカスか何かのエンターテイメントのイベント程度にしか扱ってないことが多かったので、試合の記録というと、図書館に閉じこもって当時の新聞の記事を探り出すしかないのが現状。事実、アメリカやカナダのプロレス史に関する資料の大半は、熱心なマニアが集めた記録がほとんど。かえって、プロモーター達の方が知らなかったり憶えてなかったりするケースが多い。
ジム・メルビー氏は、プロレスジャーナリストとして長年活躍した。文を書くだけではなく、実際に図書館などでプロレス史のリサーチをしまくった、云わばプロレス史研究のパイオニア的存在でもあった。そのメルビー氏が先週末57歳という若さで他界した。
自分が運営する世界各国のプロレス選手権の変還史を集めたサイトも、彼を中心とした多くの研究者の努力無しでは存在しなかったと言っても過言ではない。
彼と個人的な知り合いになれなかったことを後悔すると同時に、長年のプロレス史研究における功績に感謝したい。