WWEの殿堂2008

カテゴリー: WWE・WWF・WWWF , 人物

3月30日は、世界最大のプロレス団体WWEが毎年行なうビッグイベント、レッスルマニアが行われる。今回で24回目。そして今夜(正確には日付が変わったんで、昨夜?)は、これまた毎年恒例となった、WWEの殿堂入りセレモニー。わざわざPPVで高い金払ってレッスルマニアを見ようとは思わないが、ウェブキャストと通常のケーブル局で見れるこのセレモニーだけは、毎年逃さない様にしている。

まず8時過ぎから、ウェブキャストで、数名が紹介される。最初に紹介されたのは、ジャックとジェリーのブリスコ兄弟。兄ジャックは、元NWA世界ヘビー級チャンピオンで、故ジャイアント馬場が東洋人として始めてNWA世界王座を奪取したのもこの人からだった。本人の希望で、兄弟でチームとしての殿堂入りだが、シングル選手としての方が有名なんで、ちょっと違和感がある。弟ジェリーも、元NWA世界ジュニア・ヘビー級チャンピオンで、兄弟チームとしても幾つかのタッグ選手権を取ったりしたんだが、兄ほどではない。が、紙に書いて用意されたスピーチを読んだだけのジャックとは違い、喋り捲るジェリー。まぁ、WWEの裏方の重鎮なんで、しょうがないか…。

続いては、今回の会場であるフロリダをはじめに、ジョージアキャロライナ地区、そしてアラバマと、4地区にわたりテレビの実況を勤めた故ゴードン・ソリー。アメリカでのプロレスの殿堂なら、この人を入れないと始まらない、ってくらいの大御所だが、長年WWEオーナーのビンス・マクマホン・ジュニアを批判し続けてきた人だったんで、せっかくフロリダが会場でも、殿堂入りはないかと予測されたりもしたが、最後の最後で殿堂入りが発表された。まぁ、当然と言えば当然なんだが。現在WWE RAWの実況をしているジム・ロスによる紹介だったが、「ソリーが史上最高。その他の我々はナンバー2を狙って争ってるだけだ。」には感心した。

来年デビュー70周年を迎えるメイ・ヤングも殿堂入り。数年前まで、故ファビュラス・ムーラとのコンビで暴れてて、最近のファンにとっては、エロ婆さんくらいの印象しかないと思われるが、実は女子プロレスがまだ認知されてない頃からがんばっていた伝説の人。デビュー当時のことからの色々なエピソードを話したが、そこに出てきたレスラー達の名前って、おそらく集まってた若い客の殆どが知らないんだろうな。「100歳の誕生日に試合したい。」と言ってのけた、まだまだ元気そうな85歳。

ウェブキャストの最後は、かつて大プロモーターとして一時代を気付いた故エディ・グラハム。彼によりスターとして売り出されたダスティ・ローデスによる紹介。ダスティもだが、父の代わりに登場したマイク・グラハムのスピーチもよかった。

ウェブが終わったのは10時頃で、ケーブル局での放送は11時から。この間もセレモニーは続き、番組用に編集されたものが11時から放送される。

放送が始まり、いきなりザ・ロックことドゥエイン・ジョンソンの登場。久々のプロレスファンの前で、楽しそうに観客を笑わせる。が、今回の目的は、殿堂入りする父ロッキー・ジョンソンと、母方の祖父、故ピーター・メイビアの紹介。そういえば、ザ・ロックもデビュー当時はその二人の名前を合わせたロッキー・メイビアっつうリングネームだった。

個人的には、ロッキー・ジョンソンが殿堂入りするくらいの選手だったかどうかは疑問だが、WWE側としては、テレビに、久々にロックを出したかったってのもあるんだと思う。ただ、ピーター・メイビアに関しては、古くはワイルド・サモアンズ、そしてヨコヅナ、リキシ・ファトゥー、最近ではロジーやウマガなど、数多いサモア系レスラーの先駆者で、ハワイのプロモーターでもあったんで、プロレス界に残した功績は大きい。天にいる祖父に、涙を流しながら、「自分のことを、誇りに思ってくれてるかな…」と語りかけていたロックが印象的だった。

そして最後は今回の目玉のリック・フレアー。「プロレス界のマイケル・ジョーダン」とか、よく言われるけど、実際にそうだと思う。来年60だが、今尚現役で、それも会場での人気は、若いトップ選手達よりもすごい。現役選手のWWE殿堂入りは初めて。

ただ、数ヶ月前から、「次に負けたら引退」ということで試合を続けてるフレアーも、今夜のレッスルマニアでのショーン・マイケルズ戦が最後だという可能性が大きく、それもあっての、殿堂入りなんだと思う。アメリカを拠点にしてる中では一番好きな選手だし、自分が初めて生で会ったレスラーもフレアーだ。

フレアーを紹介したのは、マイケルズと共に、現在フレアーの親友になっているトリプルH。でも実は、長年フレアーのサポート役を務めてきた、アーン・アンダーソンに紹介してほしかったと思ってるのは自分だけじゃなかったと思う。

早速涙を流しながら登場するフレアー。普段の勢いのあるマイクパフォーマンスとは違い、書いてきたスピーチをじっくりと読む。「選手として自分が何をしてきたかってのは、他の人達が充分話してるから、今夜は、多くの人達に感謝することに時間を使いたい。」と始める。

最前列に座ってた現在の妻(三人目)と子供たちに感謝をした後、会場には来ていない前妻二人にも涙を流しながら感謝の意を述べたのには感動した。

実際にフレアーのスピーチが放送されたのは10分くらいで自分にとっては多少物足りない感もあったが、実際に会場に行ってた人によると、実は1時間以上しゃべってて、テレビ放送が始まった30分後もまだ続いてたらしい(その間、三度も『巻き』が入ったとか)。レッスルマニアのDVDが発売される時には、ノーカットで入っててほしいなぁ。


Credits for pictures and images are given to these sites/people.

Copyright © 1995-2025 puroresu.com. All rights reserved. Privacy Policy