世界ヘビー級王者ニック・オルディスは、2018年3月24日、フィラデルフィアにて、かつてシェーン・ダグラスがNWAベルトを投げ捨てた元ECWアリーナでトミー・ドリーマーに勝利。そして4月14日には中国では初めての防衛戦で同王座と因縁深いコルト・カバナも破り、WCW離脱以降のNWAの歴史に残っていた『過去の汚点』を清算するかのような試合を続けた。
その後もオルディスは米インディ界で活躍する選手達を相手に次々と防衛。
4月21日にはメリーランド州ジョッパで、過去にオルディスのGFWグローバル王座に挑戦したこともあるブランドン・スコット。
4月22日にはテネシー州ニューポートで、かつてはCZWやROH、現在はルチャ・アンダーグラウンドでソン・オブ・ハボックとして活躍するマット・クロス。
5月11日にはイリノイ州シカゴハイツで、現在CMLLで活躍し、2017年7月には全日本プロレスにも参戦したサム・アドニス。
その後、オルディスは、6月9日、バージニア州アナンデールで、イザイヤ・フレイジャーの挑戦を退き、翌10日には大陸横断、再びカリフォルニアまで飛び、今やお馴染みとなったCWFH大会に出場。前世界王者ティム・ストームを倒し王座挑戦権を持っていたジョセファス、そしてジョセファスと『スピリチャル・アドバイザー』の提案に乗せられたクリムゾンと3ウェイで対戦。
予想外の展開に戸惑うジョセファスの隙を利用して、王座防衛に成功した。
あれだけジョセファスとクリムゾンの結託を煽った挙句、この程度で仲間割れをしたのか、または今後も『ジョセファス王国』としての続きがあるのかはは不明だが、高校教師を本職とする前世界王者ティム・ストームが夏休みに入った今(笑)、再びジョセファスとの抗争が勃発する可能性も大きい。
そして7月6日、テキサス州サンアントニオでは、ランス・ホイト(鈴木軍のランス・アーチャー)の挑戦、その後7月11日から15日まではオーストラリアでの5連戦も決定している。
だが、NWAに限らず、それ以外でも、米プロレス界で大きな話題になっているのは、その後の試合だ。
5月13日、9月1日にシカゴで開催されるバレットクラブのコーディ・ローデスとヤングバックスによる自主興行『オール・イン』の記者会見の場で、コーディがNWA世界王座への挑戦を発表。
5月24日、オルディスはイギリスのエディンバーグでのROHと新日本プロレスの合同大会に出場し、マーク・ハスキンスと組みヤングバックスと対戦したが、試合の組まれていなかった26日のロンドン大会にも登場、試合直後のコーディの前に現れ、マイクを握り語った。
「自分のことを『アメリカン・ナイトメア』とか言っておきながら、今でも『アメリカン・ドリーム』を信じてるみたいだな。俺は12月以来、この『黄金の10パウンド』を、各地で、挑戦に値する選手達を相手に防衛してきた。問題は、コーディがこの世界一の王座に対して価値ある挑戦者ってやつかどうかだ。確かにお前は、この世界に改革をもたらした。俺も長い間、お前のことを尊敬していた。お前のビジネスのやり方も気に入ってる。だが、それも全てこれまでの話だ。お前は、『オールイン』の記者会見で、俺に面と向かわずに挑戦を表明した。俺は挑戦からは逃げないんだから、俺に直談してくれればよかっただけのことだ。それなのにお前は自分勝手な行動に出た。だが、お前がほしいのはこのベルトだ。そして、このベルトは俺のものだ。だから、俺こそが(この取引を司る)ディーラーなんだよ。今ここで、ロンドンのみんなの見守る中で、俺達2人の取引ってのを成立させないか?」
コーディは答えた。「別に俺からお前に電話したわけでもなければ、テキスト(SMS=日本でいうショートメールのようなもの)を送ったわけでもない。俺はビリー(・コーガンNWA社長)と話しただけで、まだ金の話さえしていない。確かにお前がディーラーだ。だからこそ改めて訊くが、お前は『オールイン』に出るのか、出ないのか?」
オルディスは、コーディの差し出した手を握ることなく、返した。「1つ条件がある。最近知ったことなんだが、これから『オールイン』までの間に、もう1度、ROH世界王座に挑戦するらしいじゃないか。もし奪取に成功し、俺との試合にお前の王座も賭けるなら、『オールイン』に出場しよう。」
条件を提示したオルディスと、それを受諾したコーディは握手。
10年前の2008年6月27日、オハイオ州デイトンで、当時のNWA世界王者アダム・ピアースとROH世界王者ナイジェル・マッギネスの間でダブル選手権試合が行われ、ピアースの反則勝ちにより両王者防衛となったことがあったが、これでコーディがROH世界王座奪取に成功すれば、それ以来初のNWA世界王座とのダブル世界戦となる。
