NWAは2023年4月7日イリノイ州ハイランド・パークで開催されたPPV大会『NWA 312』にて、6月3日・4日にノースキャロライナ州ウィンストン・セーラムで『クロケット・カップ』が開催されることを発表。
トーナメントには計24組が出場するが、その中にはメキシコAAAから2組、さらには昨年予選敗退した元世界タッグ王者組ヒート・シーカーズも含まれる。
また、『NWA 312』の試合後のインタビューでいかに自分が素晴らしい世界王者か主張し、やや自信過剰な態度を見せていた世界ジュニアヘビー級王者ケリー・モートンと、それをなだめた父リッキーが、緊張感が高まる中での同トーナメント出場を発表。
試合結果 (左側が勝者):
6月3日 (1回戦の後半はYouTubeで無料配信)
- 1回戦: ダック・ドレイパー & ミムス vs スペクタキュラーズ [ブレディ・ピアース & ラッシュ・フリーマン]
- 予選4ウェイイリミネーション戦: アウトランナーズ [トゥルース・マグナム & ターボ・フロイド] vs デイジー・キル & タロス vs エリック・ジャクソン & ジェレミア・プランケット vs ミゼラブリー・フェイスフル [ギャーグス・ザ・ジンプ & サル・ザ・パル]
- 1回戦: ジュデイス & マックス・ザ・インペイラー vs NOW [ヘイル・コリンズ & ビク・ダリシャス]
- 1回戦: フリップ・ゴードン & フォダー (7:16) ダン・マフ & ショーン・ドナバン
- 1回戦: SVGS [ジャックス・デイン & ブレイク・トゥループ] (6:37) テレル・ヒューズ & テランス・ヒューズ
- 1回戦: ヤボ・ザ・クラウン & ルフォ・ザ・クラウン (6:59) フィクサーズ [ジェイ・ブラッドリー & レッキングボール・ルガースキー]
- 1回戦: アレス & トキシン (6:26) ヒートシーカーズ [エリオット・ラッセル & マット・シグモン]
- 1回戦: クレイトス & オディンソン (4:24) ブライアン・ブロック & ジェーク・ドゥマス
- 1回戦: アウトランナーズ [トゥルース・マグナム & ターボ・フロイド] (8:51) サイオン & ジョーダン・クリアウォーター
- 2回戦: ブラント・フォース・トラウマ [カーネージ & ダメージ] (4:28) アウトランナーズ [トゥルース・マグナム & ターボ・フロイド]
- 2回戦: クレイトス & オディンソン (7:57) カントリー・ジェントルメン [A・J・カザナ & アンソニー・アンドリュース]
- ジョー・アロンゾ (7:47) アレックス・テイラー
- 2回戦: リッキー・モートン & ケリー・モートン (7:21) アレス & トキシン
- 2回戦: ヤボ・ザ・クラウン & ルフォ・ザ・クラウン (9:27) トム・ラティマー & レット・タイタス
- 2回戦: オクタゴン・ジュニア & ミステシス・ジュニア (5:46) ジャックス・デイン & ブレイク・トゥループ
- ハードコア・ティームウォー: M95 [マディ & ミッサ・ケイト] & サマンサ・スター & ルーシー・ジェイ (14:05) プリティ・エンパワード [ケンジー・ペイジ & エラ・エンビー & ロキシー & カイリー・ペイジ]
- 2回戦: トレバー・マードック & マイク・ノックス (5:53) ダック・ドレイパー & ミムス
- 2回戦: タイラス & クリス・アドニス (9:31 反則) ジュデイス & マックス・ザ・インペイラー
- ナショナル・ヘビー級選手権: EC3 (12:56) サイラス・メイソン
※ 王座防衛。 - 2回戦: ラ・レベリオン [ベスティア666 & メカ・ウルフ] (11:45) フリップ・ゴードン & フォダー
6月4日 (最初の4試合はYouTubeで無料配信)
- USタッグ選手権(9組参加ガウントレット戦): カントリー・ジェントルメン [A・J・カザナ & アンソニー・アンドリュース] (17:42) フィクサーズ [ジェイ・ブラッドリー & レッキングボール・ルガースキー]、 SVGS [ジャックス・デイン & ブレイク・トゥループ]、アレス & トキシン、ダック・ドレイパー & ミムス、 NOW [ヘイル・コリンズ & ビク・ダリシャス]、 デイジー・キル & タロス、 テレル・ヒューズ & テランス・ヒューズ、スペクタキュラーズ [ブレディ・ピアース & ラッシュ・フリーマン]
※ 王座防衛。 - サイラス・メイソン (5:42) ダン・マフ
- 世界女子タッグ選手権: M95 [マディ & ミッサ・ケイト] (7:08) マックス・ザ・インペイラー & アンジェリーナ・ラブ
※ 王座防衛。 - 世界女子テレビ選手権: ルーシー・ジェイ (5:02 反則) ケンジー・ペイジ
※ 反則負けのため王座防衛。 - 準々決勝: オクタゴン・ジュニア & ミステシス・ジュニア (4:10) ヤボ・ザ・クラウン & ルフォ・ザ・クラウン
- 準々決勝: トレバー・マードック & マイク・ノックス (5:03) リッキー・モートン & ケリー・モートン
- 準々決勝: タイラス & クリス・アドニス (7:43) クレイトス & オディンソン
- 準々決勝: ブラント・フォース・トラウマ [カーネージ & ダメージ] (5:56) ラ・レベリオン [ベスティア666 & メカ・ウルフ]
- ナショナル・ヘビー級選手権: EC3 (11:37) トム・ラティマー
※ 王座防衛。 - 世界ジュニアヘビー級王座挑戦者決定7ウェイ戦: コルビー・コリノ (10:52) ジョー・アロンゾ、P・J・ホークス、フリップ・ゴードン、ギャーグス・ザ・ジンプ、エリック・ジャクソン、ジャロン・フルトン
- 準決勝: ブラント・フォース・トラウマ [カーネージ & ダメージ] (6:00) オクタゴン・ジュニア & ミステシス・ジュニア
- 準決勝: トレバー・マードック & マイク・ノックス (7:53) タイラス & クリス・アドニス
- ザ・マスクド・マン (8:05) サイオン
- 世界女子選手権: カミール (12:54) ナタリア・マルコバ
※ 王座防衛。 - 決勝: トレバー・マードック & マイク・ノックス (9:55) ブラント・フォース・トラウマ [カーネージ & ダメージ]
連日ヤボ & ルフォのクラウン(ピエロ)コンビが予想以上の活躍を見せ株を上げたようだ。
反則負けで世界女子テレビ王座を防衛したケンジー・ペイジだが、この日から(やっと)ベルトを持って登場。
2月にWWEとの契約が報じられていたコルビー・コリノはNWA復帰早々ジュニアヘビー級王座への挑戦権を奪取。
NWAがクロケット・カップの話題で盛り上がっていた頃、世界ジュニアヘビー級王座について、新たな展開が生じようとしていた。5月22日、昨年までNJPWストロングで活躍していた元王者バレット・ブラウンがケリー・モートンに挑戦を表明したのだ。
2017年、ビリー・コーガンがブルース・サープからNWAを買収した際、当時の世界ヘビー級王者ティム・ストーム以外の全王者がそれぞれ保持していた王座を剥奪された。後、世界女子王者ジャズが再び王者として登場したが、ブラウンは剥奪されたままで、翌年10月に開催されたNWAの70周年記念大会に出場した際には元王者として紹介された。「自分は王座を奪われたわけではない。6年間待ち続けた。そろそろ幕を閉じたいと思う。」と、ツイッターに投稿した動画で主張するブラウンだったが、31日、テキサス州ダラスを本拠とする団体VIPレスリングでの選手権試合が6月23日に開催されることが発表された。
結局モートンがブラウンを破り王座を防衛するわけだが、個人的には、もう少しNWAでも取り挙げてよかったのではないかと思う。どうせ毎回PPV大会の翌日に『NWA Powerrr』数回分の録画があり、次回PPVまでの流れのほとんどをそこで収録するのだから、ブラウンに2、3回『Powerrr』に登場させて次回PPVにつなげるというのでも、ある程度話題になったのではないかと思う。
7月8日には再びイリノイ州ハイランドパークに戻り『NWA 312』同様、昨年7月に発生した銃乱射事件の被害者達のためのチャリティ興行が開催。翌日には同会場で『NWA Powerrr』の収録も行われた。
7月11日放送分ではナショナル王者EC3がサイラス・メイソンを破り防衛した後、王座を返上し、タイラスの持つ世界ヘビー級王座に挑戦することを表明。ミズーリ州セントルイスでの発足75周年記念大会となるPPV『NWA 75』での対戦が決定した。
7月18日の放送中、なんと2月以来NWAから姿を消していたマット・カルドナが登場し、『NWA 75』にて「俺のNWAにおける第二章が始まる」と宣言。相変わらずGCWを中心に活躍するカルドナだが、23日には東京で遠藤哲哉を破りDDT UNIVERSAL王座も奪取。
今やセントルイスのチェイス・パークプラザホテルでの2日興行が恒例となった発足記念大会だが、今年は8月26日と27日に開催。26日にはクロケットカップ準優勝のブラント・フォース・トラウマ (カーネージ & ダメージ)がラ・レベリオン (ベスティア666 & メカ・ウルフ)の保持する世界タッグ王座に挑戦。勝った方が翌日同トーナメント優勝のトレバー・マードック & マイク・ノックスの挑戦を受けることになる。また、世界女子王座も連日選手権試合が組まれており、場合によっては今回もまた今やNWAの顔となったと言っても過言ではない王者カミールによる2連戦となる可能性もある。EC3の返上により空位となったナショナル・ヘビー級王座は3ウェイ戦でクレイトス、オディンソン、サイラス・メイソンの間で争われる。
7月27日、世界ヘビー級王者タイラスは、『NWA 75』での防衛戦でEC3に勝てなければ引退することを宣言。そうなると、タイラス防衛を多くが予想するのが当然だが、同時に試合中あまり動けていないタイラスが世界王者だという事実に不満を持つファンも多いことから、プロレスから引退しトーク番組出演に専念するとしても不思議ではない。個人的にはEC3より、全米やカナダはもちろん、時にはヨーロッパやオーストラリア、さらには昨年12月パキスタンでも試合をしたクリス・アドニスが王座を奪取し、NWAによるテレビ収録やPPV大会以外でも各団体で防衛を続けると世界的なNWAの注目度も(多少は)上がるのではないかと思う。
多くのファンの希望どおり実際にタイラス王座転落となるのか?
通算620日以上ラ・レベリオンが保持している世界タッグ王座、今度こそ移動となるのか?
気になる元世界王者マット・カルドナの今後の動向は?
バレット・ブラウンの本格的NWA参戦はあるのか?
まだまだ目が離せないNWAなのである。