このタイトルを見て、何のことかすぐ判ったのは、多分一時期でもプロレスファンだったことがある人なんだろうと思う。
今夜は、ウェストチェスターに住むプロレスファンの日本人男性三人を連れて、ニュージャージー州クリフトンにあるイタリアン・アメリカン・ファミリー・アソシエーションという場所に行ってきた。
なぜそんなとこまでわざわざ行ったのかと言うと、世界中で伝説的なレスラー、メキシコのミル・マスカラスと弟のドス・カラスが来ると聞いたからだ。それも、二人とも結構な歳だが、試合をするという。
マスカラスというと、70年代中期から80年代初期にかけて、日本の男の子達の間ではプロレスファンじゃなくても知られていた程の存在。どんな試合をしようと、生で見れるだけで十分だと思ったんで行くことにした。
会場に着くと、なんと飲み屋の二階にある催し物会場で、せいぜい200~300人分くらいの席しか並べられない程度。こんなとこで本当に、あのマスカラスが来るんだろうかと、一瞬疑ってしまった。
前座の試合の途中、ちょっと後ろを振り向くと、なんとマスカラス兄弟が歩いてた。覆面を被ってるとは言え、体つきと目を見れば、偽者じゃないことくらいすぐ判る。驚いて思わず握手してもらった。
実は先日、主催団体NWAプロの東部プロモーター、リッキー・オタズに、マスカラスが長年日本で入場テーマとして使ってた、イギリスのジグソーというバンドの『スカイ・ハイ』という曲を、「日本のプロレス史で、最も有名で人気のある入場テーマの一つ。よかったら使ってくれ。」ってことでメールで送っておいたんだが、返事がなかったんで、あまり期待してなかった。一緒に行った他の三人には、それを伝えなかったどころか、「あの曲は日本だけのテーマ曲なんで、多分使わないのでは…。」というコメントにしておいた。
だが、リングアナウンサーが紹介すると、なんと実際に会場に流れたのは『スカイ・ハイ』。観客の大半がヒスパニックなんで、入場は盛り上がったが、曲のイントロを聴いただけで大騒ぎし始めたのは、もちろん我々日本人四人のみ。超感動した。試合後リッキーに、「もしかして自分が送ったから?」と聞くと、「そう。お前のためだ。」だと。嬉しいねぇ。
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デジカメって、なかなか撮るの難しい。あまりいい写真が撮れなかった。だが、マスカラスもドス・カラスも、しっかり試合をしていた。
トップロープからのダイビングボディプレスが、所謂、必殺技ってやつで、日本で空中殺法を流行らせたのはマスカラス。でももう歳だし、飛べないだろうとみんなで話をしていた。
が、フィニッシュにはなんとトップロープから飛んで、そのまま相手の選手をフォール。やってくれた。
後でプロモーターに聞いたら73歳だと言ってたが、自分が持ってる資料によると来月で65歳。いずれにしても58歳で現役のリック・フレアーに勝るとも劣らない体をしていた。
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今回のもう一つの目玉として行なわれたのは、先日NWA (ナショナル・レスリング・アライアンス)とTNA (トータル・ノンストップ・アクション・レスリング)の提携解消によって、TNA所属選手のクリスチャン・ケージから剥奪され空位になったNWA世界ヘビー級王座決定トーナメント一回戦の中の一試合、アダム・ピアース対アーロン・アギレラ。アギレラはかつてWWEでJesus(スペイン語読みでヘズース)という名でカーリトのボディガード役をしていた選手。二人とも現在色々なインディ系団体で活躍中の選手なんで、多少期待していたが、それなりの試合をしてくれた。
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試合はピアースの勝ち。このトーナメント、多くのファンの予想では、このピアースとブライアン・ダニエルソン (アメリカン・ドラゴン)で準決勝ということなんだが、実際そのとおりになりそうな気がしないでもない。
他の試合は、結構バックヤード・レスリング(鍛えてもないファンが裏庭などでマットを敷いて行なう、かなり危険なプロレスごっこ)に毛が生えた程度の体をしてた連中が多く、試合内容も(業界用語で)しょっぱいのが幾つかあったが、中には将来期待できそうなのも数人いた。それ以前に、冗談抜きで、もしかしたらアメリカのプロレスファンの間で有名なウェブサイト二つを運営している自分の方が、今夜の参加選手の大半よりも、有名なのかも…と、どうでもええことを考えてしまった。
とはいえ、マスカラス兄弟も見れたし、見れないと思ってた技も見れたし、ピアースとアギレラも期待どおりの試合をしてくれたし、全体的には満足。参加選手によっては、また今後もこの団体の試合を見に行ってもええかも。

う~むマスカラス兄弟がそんな小さい会場に来た、しかもミルは73歳!
す、凄すぎる!
さらに、貴方が送ったテーマ曲のスカイハイの曲を採用したとは!感動ですね。
画像での彼の上腕、胸は73歳でも
60歳前後に日本に来た時、とそう変わってないのは
筋肉は70、80歳になっても発達するということを証明してます。
彼はナイフで腹をコノ字形に刺された痕が試合での画像でも消えてません。
それは確認しましたか?
ゴング増刊の「ミル・マスカラスその華麗なる世界パート2」に本人のサインをもらうという野望があるのですが、ライフワークになっちゃいそうです(笑)。今回のHisaさんなら可能だったんですねぇ。うらやましい。