King of Pro-Wrestling

カテゴリー: 『puroresu』 , 観戦 [テレビ、オンライン]

しばらくプロレスネタで書けそうなのがなかった。

9月末には、ニュージャージーの女子プロレスの大会で、知人の坂井澄江が、業界の大御所で来日回数も多いレイラニ・カイと試合するっつうんで、それを観に行く予定じゃったんじゃが、先日近所のパークウェイで、赤信号で突っ込んで来た車にぶつけられ、一回転してしまうという交通事故で、さすがに運転できる体調じゃなかった。今でもあそこまで運転できる自信がない。

10月14日には、新日本プロレスが両国国技館の大会『King of Pro-Wrestling』をiPPVで全世界生中継。昔から海賊版ビデオなどで、マニアの間では人気があった日本のプロレスだが、ここ数年の新日は、YouTubeでも公式ページを通して、日本語以外のファンたちにも映像を発信しとるんで、iPPVも結構人気らしい。

自分は後になってとりあえず話題の二試合を観ただけだが、メインイベントのIWGPヘビー級選手権チャンピオンのオカダ・カズチカと棚橋弘至の試合は、なかなかよかった。これまで何度か対戦し、名勝負だと言われてきた二人の試合だが、実は、自分はこの二人とも全くと言って好きじゃないせいか、どの試合も印象に残ってなかった。

棚橋は文句なく新日のエースで、上手さに関しては一流なんだが、上手に試合をこなしてるという感じで、『戦い』を見せてるという気がしない。それ以前に、キャラ的に好きじゃないが、それはまぁ、時代の流れってやつでしょうがねぇか。

オカダってのは、技の数という意味での引出は多いけど、なんかいまいちスムーズに思えない。「防衛戦を重ねるごとに進化するチャンピオン」とか言われてるけど、言い換えると、「まだまだ」なのに、新日が上手く売り出してチャンピオンに仕立てたという感が強い。マネージャー役の外道(…という名前の選手)抜きで、この人気を保てるかというのも疑問だし。

今回の試合は、棚橋が奥の深さを見せつけたという風に見えた。派手な技の応酬とかじゃなく、本当の意味での『攻め』という形で前半は試合を進めてたと思う。一部、世代交代みたいな意見もあるけど、「試合に負けて勝負に勝つ」ってのは、今回の棚橋のことじゃないかなと思う。オカダが、棚橋以外の相手と、今後何度もいい試合が本当にできるのか、正直、まだ疑問。

その試合とはある意味両極端の位置にあったのが、中盤に行われた石井智宏と柴田勝頼の試合。どちらかというと、いい意味でも悪い意味でも、平成初期の新日の、橋本真也あたりがやってそうな、あえて激しい技を受け合って打ち合うような流れだったんだが、その受け方ってのが半端じゃない。天龍源一郎や長州力といった人達に鍛えられた石井と、新日本初期の選手だった父を持ちあえて『猪木の新日』にこだわり続ける柴田。『昭和のプロレス』ってのとはちょっと違うんだけど、でも、あの頃の迫力を感じたのは確か。上手い試合ってのもいいけど、各選手の背景を感じさせるってのも、プロレスには大事だと思う。下手なマイクパフォーマンスや舞台裏の芝居よりも、やっぱリングの上で物語を表現してなんぼじゃけぇ…。

他の試合はまだ観とらんけど、この石井と柴田のような試合を途中でやられちゃうと、後に続くのが大変じゃったろうに…。そういう意味でも、メインは説得力あったかな。

こうなると残りの試合も楽しみ。『エンターテイメント番組のネタ』っていう意味では、WWEが凄いかもしらんが、『プロレス』の選手層という面では、やっぱ新日が世界一のような気がする。


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