今尚NWAを追う(12) – 聖戦開始

新王者の巡礼

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2017年12月2日、カリフォルニア州ポートワイニミで行われたチャンピオンシップ・レスリング・フロム・ハリウッド(CWFH)の大会で、ジョセファスを再び破ったNWA世界ヘビー級王者ティム・ストームは、試合後、ジョセファスによるハシゴ攻撃を受け、肋骨を負傷。それが原因で、1週間後の12月9日、ニュージャージー州シーウェルでのコンバット・ゾーン・レスリング(CZW)の大会中に急遽決定したニック・オルディス戦でわずか4分10秒で敗退、1年以上保持した世界王座から転落してしまう。

オルディスは1986年イギリス出身。2003年に十代でデビューし、TNAでは世界ヘビー級世界タッグ王座、そしてIWGPタッグGHCタッグ王座も奪取したこともある選手だ。11月12日に1度CWFHの試合でストームに挑戦し敗れたが、フォールの直前、ストームの片足がロープにかかいっていたことを知り、再戦を主張。両者は後日「いつでもどこでも」試合をすることに同意、その結果CZWでの試合が実現した。

そして、新しくオルディスのマネージャーに就いたのは、かつて南部を中心に活躍し3度来日したこともあるオースティン・アイドルだった。新にNWA世界王者になったオルディスに対してアイドルは言った。「世界は何か新しいもの、新鮮なもの、偉大なものを待ち続けていた。今、君が世界王者になったことにより、みんな一足早いクリスマスプレゼントを受け取ることができたんだ。」

王座を失ったストームは、負傷の原因となったジョセファスと、2018年1月14日、インパクト・レスリングの会場で観客無し、反則負け無しというルールでの遺恨試合にNWA王座再戦権を賭けて挑み、これまでにはなかったラフ殺法を見せつけるが、惜しくも敗退。

丸腰になり、更に挑戦権まで失ったストームが進退を問われる中、オースティン・アイドルの『アイドルマニア・スポーツ・マネージメント』は、『ザ・オルディス・クルセード』と銘打って、2月11日のCWFH大会を皮切りに、60日間に20以上の防衛戦を、アメリカとオルディスの母国イギリスだけではなく、なんと中国やオーストラリアでも行うことを発表した。また、その中には、ビリー・コーガンがブルース・サープからNWAを買収し全ての加盟団体との契約を破棄していたことによってNWAから離れていたNWAスモーキーマウンテン改めイノベート・レスリング(テネシー州キングスポート)での防衛戦も含まれていた。

その発表を受け、ビリー・コーガンNWA社長は、昨年11月、ストームがハウス・オブ・ハードコア(HOH)のリング上でトミー・ドリーマーの挑戦を受諾していたことから、オルディスに対して、3月24日HOHフィラデルフィア大会でのドリーマー戦を命じた。

『インパクト・ゾーン』での『エンプティ・アリーナ・マッチ』でストームを破ったジョセファスも、挑戦権を主張。「俺はいつどこに現れるかわからないよ。『スピリチャル・アドバイザー』から、引き続き『瞑想の期間』にいるように言われたけど、それに加えて『ウルトラバイオレンスの期間』にも入れってね。」と、不気味なコメントを残す。『ウルトラバイオレンス』とは、デスマッチを売り物にするCZWのスローガンのような言葉だ。誰かの試合に乱入するのか、挑戦権を行使して誰かの試合を3ウェイ戦にするのか、またはオルディスとデスマッチで一騎打ちをするのか…。

そして2月11日、CWFH大会での『クルセード』初戦、「今回の挑戦者は、元世界王者か、世界王者を倒したことのある選手にしたい」というオルディスのコメントに名乗りを上げたのは、なんと、ジェームス・エルスワースだった。

エルスワースとは、メリーランドを拠点に、ウェストバージニアやペンシルバニアのインディ団体で活動していた選手。2016年7月のWWEマンデーナイト・ロウでのブラウン・ストローマン戦で、試合前の気合の入ったコメントとは裏腹にあっけなく負けたが、その決して強そうに見えないルックスと語り、そして負けっぷりが、ファンの間でのカルト的人気を得て、11月にはついにWWEと1年間の契約を交わした。以後、ディーン・アンブローズの手助けによりWWE世界王者A・J・スタイルズを破ったり、とりあえずの活躍(?)を見せていたが、2017年に入ると、女子選手カーメラの(彼氏というよりも)子分になり、リング下で鎖につながれていたり、同年11月に解雇されるまで所謂『汚れ役』だった。

ファンの間では、「初っ端からTNAみたいにWWEから出てきたばかりの選手に頼りやがって。それもやられ役だった奴か。」という批判と、「過去にはリック・フレアーも『悪役王者が楽をしたい』という理由でマイク・ジャクソンのような負け役を相手に王座を防衛したことが何度もあった。WWEから出て間もない選手を起用するのは問題ではない。」といった風に、意見が分かれた。個人的な感想としては、とりあえず最初だし、注目度という面では別にいいのではないかと思う。ただ、CWFHのリングが昔のイギリスのジョイント・プロモーションズくらい狭いせいか、エルスワースが戸惑っているような気もした。

試合後、インタビュアーのデビッド・マーケスがリングに登場。オルディスに対して、4月14日の中国初のNWA世界戦となる上海大会(実際には温州という説もある)での相手を発表。なんと、オルディスが保持する世界王座との因縁が深いコルト・カバナだった。

以後、オルディスは、連日の防衛戦のため、母国イギリスに向けて旅立った。2月16日にはブラム(NXTではケネス・キャメロン)、17日にはビッグ・グリズリー、18日にはジョセフ・コナーズを倒し、21日のデビッド・スター戦に挑む


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