1994年8月11日、ダラスの(今は亡き)リユニオンアリーナへ、初めてWWFの観戦に行った。当然のように、毎週金曜夜のGWFスポータトリアム常連仲間のJやPも一緒だった。
当時の自分はWCW派で、WWFはPPVを注文して見ることもなく、それまでダラスにWWFが来ても行きたいと思ったことがなかった。ケリー・フォン・エリックのセコンドにフリッツが就くと聞いた時も、「どうせWWFだし、別にええかな」と、行かなかったくらいだ。
だが、ブル中野が出場となると話が違う。
大会場であるにも関わらず、いつものスポータトリアムの乗りではしゃぎまくる我々。メインでヨコヅナのマネージャーだったミスター・フジに対して、解らないのを承知のうえで日本語で野次る自分。JやPに何を言ったのか英語で説明していると、こっちを振り向いて、ニッコリしながらゆっくりうなずくフジ。それと同時に、「ほら、結局日本語知らねえんじゃん!」と大うけする、まだ若かった我々。
やかましかったもんで、周りの観客も呆れてたに違いないが、中には、「毎週金曜に来てる奴らじゃん!」とか、挨拶しに来る物好きな人達もいた。
試合結果(左側が勝者):
- デューク・ドゥローシー vs ピエール [バッシュ・ザ・ターミネーター]
- WWF世界女子選手権: アルンドラ・ブレイズ [メドゥーサ] vs ブル中野 (両者リングアウトのためブレイズ防衛)
- ジェフ・ジャレット vs ドインク
- ストラップマッチ: タタンカ vs ショーン・マイケルズ
- インターコンチネンタル選手権: レイザー・ラモーン vs ディーゼル (反則負けのためディーゼル防衛)
- メーベル vs バンバン・ビガロ
- WWF世界タッグ選手権: ヘッド・シュリンカーズ vs ウェル・ダン (王座防衛)
- 敗者担架マッチ: レックス・ルガー vs ヨコヅナ
感動する試合なんてなかったし、期待さえしてなかった。ただ、ブル様を拝みに行っただけのようなもんだ。(笑)
試合後、連中と別れ、自分は郊外にある、行きつけの居酒屋へ。店に入ると、板前のバイトをしていた大学の先輩が自分の顔を見るや否や言ってきた。
「ブル中野来てんだって?」
「(プロレス興味ないのに)知ってたんですか?」
「夕方、Sさんが来て言ってたよ。」
Sさんとは、その店の近くに住んでいた、写真家として活躍するだけではなく、メンフィスでは試合に出たり、WWFでは君が代斉唱したり、プロレス界では有名なJS氏のこと。時々その店で会うことがあったけど、さすがに当日の試合後はブルやメドゥーサと飲みに行ってたのかも。
ちなみに、あれから24年近く経つが、WWEの試合には、『ECW』やNXTを含めても、多分6、7回しか行ってないような気がする。
