今尚NWAを追う(25) – クロケット・カップに向けて

長い沈黙の先には…?

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2019年9月に袂を分かったNWAROHは、2020年1月再び提携。2020年1月24日、PPV『Hard x Times』を開催。大会中に次回のPPVとして、昨年に引き続き『クロケット・カップ』4月開催を発表した。

2月4日、毎週火曜放送の『NWA Powerrr』が再開。ドッケンの『Into the Fire』に代わり、今期からはパンテラの『I’m Broken』が主題歌になった。

まずは元世界ヘビー級王者ティム・ストームのインタビュー。その最中にトーマス・ラティマーもカミールを連れて登場し、ストームを罵っていると、インタビュアーのヘッドセットに報告が入り、『ママ・ストーム』ことストームの母親が来場しているとのこと。だが、現れたのは、高齢の女性の格好をしてはいるが、髭の生えた男性だった。怒りを表しながら退場するストーム。

マット・クロスはケイレブ・コンレーを破り、NWAで初勝利。トレバー・マードックは、10分制限でナショナル王者アロン・スティーブンスと引き分け、王座奪取には至らず。

また、『Hard x Times』で最も盛り上がったNWA世界女子選手権、新王者サンダー・ロサと前王者アリシン・ケイの再戦が組まれた。試合中、ロサと悪役トリオを組むメリーナとマーティ・ベルがリングサイドに登場。介入もなく、ロサが勝利し王座防衛したが、何故出てくる必要があったのかと、試合後リングサイドのメリーナとベルに不満を示す。

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2月11日の放送では、エディ・キングストンと袂を分かち、ドーソン兄弟のマネージャーとなったザ・ポープが登場。対戦相手は、キングストンが連れてきたROHのザ・バウンサーズ。ドーソン兄弟を倒すと、試合後、リングサイドに世界タッグ王者組イーライ・ドレイクとジェームス・ストームが現れ、クロケット・カップの優勝カップの中にビールを注ぎ始め回し飲み。

トーマス・ラティマーは、ティム・ストームに勝利するが、試合後またもや『ママ・ストーム』の偽物が登場。呆れながらストームは退場。

リッキー・スタークスの持つテレビ王座にマット・クロスが挑戦するが、6分5秒時間切れ引き分け。ベテランのメリーナはターシャ・スティールスを一蹴し、試合後サンダー・ロサへの挑戦を表明。

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2月18日は、通常の『NWA Powerrr』ではなく、『サークル・スクエアド』の第1回放送。YouTubeにインディ界で活躍する選手達が試合とプロモの映像を載せることにより、NWAが選手を募集するという、所謂オーディションのような新企画だ。

まずルークとPJのホークス親子が入場。父ルークは、ルイジアナ州を中心に20年以上活躍してきた選手だ。2人がリングに上がると、今度はニキタ・コロフが登場し、自ら発掘したとして、ジェフ・ルイス・ニールとタイソン・ディーンを紹介。2人ともジョージア州を本拠とし、以前同地区のNWAローカル王座を保持していたこともあり、ディーンは2016年にティム・ストームから北米ヘビー級王座も奪取している。試合ではホークス親子が勝利したが、強い印象を残したのは、どちらかというとニールとディーンのような気がする。1試合のみで20分程度の短い番組だったため、ファンからもう少し長くしてほしいとの要望もあったようだ。

https://www.youtube.com/watch?v=Qq3voqP_YLA

2月25日放送の『NWA Powerrr』では、またもやティム・ストームのインタビュー中にトーマス・ラティマーが登場。更に『ママ・ストーム』の偽物の正体だと思われるダニー・ディールズなる人物がスタジオに入り、「お前のためにタッグパートナーを連れてきた。」と告げる。だが、自分の母親を茶化されたストームは話に当然乗らず。するとディールズは、「ならば、もし俺が連れてきた男がお前に勝ったら、NWAと契約させてもらう。その代わり、もしお前が勝ったら、5分間、俺のことを好きにすればいい。」と返す。ディールズが連れてきたのは、かつてストームが世界王座を奪取した時の相手で、新日本プロレスにも参戦経験のあるジャックス・デインだった。

エディ・キングストンのインタビューに、ザ・ポープ登場。すると、キングストンの応援にザ・バウンサーズも登場。だが、背後からキングストンを攻撃、ポープ側に寝返ったことを表明した。

メインイベントは、サンダー・ロサの保持する世界女子王座にメリーナが挑戦。

…のはずだったが、試合開始直後にメリーナはリングを降り、そのまま自らリングアウト負けになるという、今後につなげる心理作戦に出た。ロサが苦笑いをしながらも勝ち名乗りを上げる中、通路に前王者アリシン・ケイが現れ、メリーナをリングに戻し攻撃。するとカミールがリングに上がり、ケイにスピアーを喰らわす。リング上で2人残り睨み合うロサとカミール。

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3月3日の第1試合は世界テレビ選手権。1月にトーナメントに優勝したリッキー・スタークスだったが、ジッキー・ダイスに敗れ、王座を奪われた。

ドーソン兄弟はケイレブ・コンレー & C・W・アンダーソンと対戦。コンレー & アンダーソンが勝てばNWAと契約しドーソン兄弟は契約更新なしという条件のもと、コンレー & アンダーソンが勝利。

前回の放送でエディ・キングストンを裏切ったザ・バウンサーズは、イーライ・ドレイク & ジェームズ・ストームに挑戦。バウンサーズを引き連れてきたザ・ポープに対抗し、キングストンが世界タッグ王者組のセコンドに付いた。ドレイク & ストームが王座防衛。

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3月10日には『サークル・スクエアド』の第2回目が放送された。前回が短すぎたこともあってか、今回は2試合で45分。

まず登場したのは、元世界ヘビー級王者で日本でもお馴染みのスティーブ・コリノの息子コルビー。インタビュー中に、息子のためにプロレスを続けたいと語り、声を詰まらせてしまうコルビー。

コルビー・コリノの相手として現れたのは、なんとJCPWCWWWFで名脇役として活躍してきたジョージ・サウス。1989年、WCWでグレート・ムタのデビュー相手を務めたのもサウスだった。結果は、40年近いキャリアのベテランを相手にコルビーが勝利。

2試合目は、アラスカ州出身のフレイヤ・ザ・スレイヤとダニー・ジョーダンの一戦。試合には勝ったが、初登場のインタビューで自分を名乗るのを忘れたフレイヤの未熟さが目立ったのも事実。ダニーの方が、場慣れもしてそうだし、キャラクター的にも上かもしれない。

放送中には4月19日開催予定のクロケット・カップの数試合が発表された。メインイベントはニック・オルディスにROHのマーティ・スカルが挑戦する世界ヘビー級選手権。ナショナル王者アロン・スティーブンスにはトレバー・マードックが挑戦。タッグトーナメントには昨年に引き続きロックンロール・エクスプレス、フリップ・ゴードン & ブロディ・キング、レイ・オルス & フラミータ、そして元王者組トーマス・ラティマー & ロイス・アイザックスが8組中の4組として参加。

クロケット・カップに向けて少しずつ盛り上がりを見せてきたNWAだったが、COVID-19による自粛ムードが高まり、多くのプロレス団体が沈黙状態に入る中、3月16日には、クロケット・カップとそれに続く2日間の番組収録を含む全ての試合を最低6月まで中断、そして収録済みではあったが、それらの大会の宣伝も兼ねるはずだった3月17日放送予定の『NWA Powerrr』のキャンセルも発表した。

以降NWAは、YouTubeチャンネルで選手達のインタビューや、ポール・ボッシュ時代のヒューストンの貴重映像なども含め過去の試合などの配信を続けている。本来PPVとして放送された昨年のクロケット・カップも無料配信。

https://www.youtube.com/watch?v=bPtXBGYXAlQ

4月21日には、これまでの流れのハイライトが放送され、『Super Powerrr』と題して特別番組が5月に放送されることも発表された。『Lost Episode』と銘打っていることから、おそらく3月17日放送予定だったものを編集し直すのではないかと思われる。

そして、『Super Powerrr』の煽りとして、カミールのNWA初試合も披露された。同じくNWAデビューのマディ・マックスを一蹴したが、それに続いたのは、番組開始以来一言も喋らず沈黙を貫いてきたカミールの、ドキュメンタリー的なインタビューだった。

https://www.youtube.com/watch?v=Ei0j-9b4Cuo

遂に沈黙を破ったカミールはこのまま世界女子王座へ一直線に突き進むのか?

クロケット・カップはこのまま延期ではなく中止となるのか?

そんなことよりも、COVID-19の影響による閉鎖期間はいつまで続くのか?

まだまだ目が離せないNWAなのである。


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