英語による日本のプロレスの情報を提供する(おそらく)初のウェブサイトとして、昔はそこそこ有名だったpuroresu.comと、今でも研究家の間では結構人気のあるWrestling-Titles.comとは別に、実はもう一つプロレスサイトを運営している。
NYProWrestling.comといって、英語のみのサイトなので日本のファンの間では殆ど知られてないと思う。ニューヨーク周辺の試合結果をとにかく見つかるだけ載せ、興行日程も載せた、地域限定型サイトだ。
こんなサイトを始めようと思った理由は幾つかあるが、今やニューヨーク郊外に住んでいる年数が、生まれ育った日本での日々より長くなってしまい、この土地に落ち着いてしまったというのも当然ある。
今のWWEのトップの選手達の多くは、かつて、ニューヨークやニュージャージーで定期的に興行していたROHの出身者だ。当時のROHは、今の様な全米規模の団体ではなく、フィラデルフィアを中心とし、北東部で活動していた団体で、当然選手との専属契約もなかった。つまり、世界最大のプロレス団体WWEで現在活躍している選手の多くは、かつてニューヨーク周辺のインディ団体で人気のあった面子だ。
地元のインディプロレスの情報を載せるサイトを作って、少しだけでも、間接的でもいいから応援したいという気が起こされた。
それとは別に、1970年代のIWAから遡り、1960年代前半にもWWWFへの対抗勢力が存在していたことを知ったというのも大きな理由の一つ。
1980年代以前のニューヨークのプロレスは、WWWFがほぼ独占していたといっても過言ではないが、ビンス・マクマホン・シニアとトゥーツ・モント率いるキャピタル・レスリングが、NWAを脱退し、WWWFの名称で独自の世界ヘビー級王座を認定したのが1963年。それと同時に、南東部のNWAの重鎮、ジム・クロケット・シニアが、キャピタルを干されて間もないアントニーノ・ロッカと組んで、結果的に失敗だったが、WWWFに対抗していたのだ。
マクマホンだけがニューヨークのプロレスじゃないということに気付いた時、せめて試合結果だけでもいいから、この地域のプロレスの歴史をできるだけ集めてまとめてみたいと思った。もうちょっと英語が上手だったら、色んな文章も書いていきたいところだったが、その点においては正直言って自信も気力もない。
2008年1月にサイトを設置し、なんだかんだで10年もやってるんで、徐々に人気が出てきているみたいだし、微力ではあるが、今後も自分の『第二の故郷』のプロレスに、少しでも貢献できればと思う。